製造業や小売業、セキュリティシステムなどの分野で導入が進んでいるエッジコンピューティング。最大のメリットとしてデータを処理する際のネットワークへの負担を軽減できる点が挙げられる。情報を一元化して管理するクラウドコンピューティングは便利ではあるがあまりたくさんの情報を送るとサーバーに負荷がかかり処理が遅くなったり、不安定になるといった問題点が生じてしまう。末端の端末で処理を行うエッジコンピューターならその場で必要とされるデータだけを処理するため、迅速かつ安定した環境での処理が可能になるのだ。
このエッジコンピューティンクの特徴はさらにいろいろなメリットをもたらす。最大のポイントはセキュリティ環境の向上であろう。ネットワークの末端でデータの処理を行うため、データをデータベースに送信するなどのプロセスが少ないので途中で情報が漏洩してしまうといったリスクが少ないのである。
これは万一災害やネットワーク環境のトラブルが生じたときにも役立つ。ネットワークがダウンしてしまった場合でも末端の端末が機能していれば利用することができるからだ。ネットワークがダウンしてしまいクラウド環境がまったく使えなくなることで業務が完全にストップしてしまった…といったクラウドコンピューティングにありがちなリスクがなくなる。
クラウド環境の利便性が注目される一方、セキュリティをはじめとしたリスクへの関心も高まっている。クラウドコンピューティングに依存するような環境はリスクが大きくなるが、エッジコンピューティングとうまく組み合わせた環境で安全性と効率性の両立を図ることができるわけだ。